好調のPOP-OFFICEのアルバム『Portraits In The Sea』から新規MVが届いた。
しかも、どちらかというと、アルバム内でも中盤の軸をしめるサッドコア、ミディアム・チューンである
「YOUNG TOWN」
モノクロームと海岸、そして、影に添うシマダの絵。
3分を前にして、叫び声のようなスキャットと併せてコールタールのような海が共振し、仄暗さの中に美学を醸し出す。
ソニック・ユースの『ウォッシング・マシーン』で一度、汚れた匠装を洗濯した上で、モグワイの『ミスター・ビースト』の音の嵐の中に飲み込まれつつも、なぜかとても静か印象を受けるのは最後に眩い光が歪曲しながら、射してくる中を光の方向へ進もうとする後ろ姿が頼もしいからかもしれない。
荒く歪みながら、いつか漆黒の、コールタールのような海のような現実を越えていこうという意思がここにはある。
若さゆえの青さが過渡期としての暗がりに感情を落としてゆく、そんな瞬間を切り取っている。
松浦 達(COOKIE SCENE)
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